キャバ嬢をしていると、何度となく耳にする言葉があります。そう、“枕営業”です。世の中には夜の仕事をしている女性は皆、枕営業をしていると思っている人もいるようですね。もちろん、中にはしている女性もいます。筆者の友達や同僚にもいました。でも、私は枕営業には反対派です。キャバ嬢にとっての枕営業は“百害あって一利無し”だと思っています。なぜそこまで言い切るかというと、現役の頃のある事が原因です。
私がキャバクラに勤務していた頃、とても仲良くなった子がいました。お店のキャストとはあまり深く付き合う事が無かった私にとって、数少ないキャバ嬢の友達でした。彼女は枕営業をしていました。彼女は良い子でしたが思うように指名が取れず、お金に困っていた事もありきっと焦ってしまったのでしょう。昔から良くして下さっていたお客様と、関係を持ってしまったそうです。その後、そのお客様はお店に来なくなってしまいました。お客様を繋ぎ止めたい、その一心だったのでしょうが全くの逆効果になってしまったのです。彼女は、その後すぐにキャバ嬢を辞めました。
男性という生き物は意中の女性を手に入れることができると、途端にその女性に対する熱が冷めてしまうものです。お客様もそう。一度身体を許してしまうと外で会いたがり、お店には来なくなる傾向にあります。それを拒むと今度は他の女性を探します。中には、枕営業でお客様を繋ぎ止めているキャストさんもいます。しかし、身体を許してしまうとお客様との関係性が変わってしまい、相手の掌の上で転がされる状態に陥りがちです。ですから、指名や売り上げ欲しさで枕営業をしても、結局は自分の首を絞める事になってしまうのです。
さらに他にも大きな問題が「人の噂」です。「あの子は枕営業をしている。」という噂が流れてしまう事があります。こういった良くない噂は、あっと言う間に広がります。そうなってしまうと、仕事に益々悪影響が出てしまいます。お客様にまで噂が広まってしまうと、お店にも、他のキャストにも迷惑が掛かります。ここまできてしまうと、もう自分一人の問題では済まされないのです。
また、お客様の中には、キャバ嬢を落とす事をゲームのように楽しんでいる人もいます。私が現役だった頃、街で有名なお客様がいました。その人にはお金の力でキャバ嬢を落とし、身体の関係をもっている、という噂がありました。私がそのお客様の席に着いた時、お客様のデジカメを見せられました。そこには、何人ものキャバ嬢が写っていました。お客様曰く、“Hしたキャバ嬢達”だそうです。手柄のようにそうやって自慢をするお客様は結構います。
筆者もお客様から枕営業を持ちかけられたり、愛人契約を提案された事が何度かありました。もちろん丁重にお断りしましたが、一時頻繁にそんな話をされたので、そんな軽い女に見られているのかと本気で悩んだことがありました。そこで「簡単に手が出せない存在になる」事を目標にさらなる女磨きを始めました(笑)
キャバ嬢というと、男性からはどうしても「水商売の女」「軽い女」と思われがちですよね。実際に、キャバ嬢を簡単に落とせたら良いな、Hできたらラッキーなどと考えているお客様も中にはいらっしゃいます。ネットを見るとキャバ嬢を落とす方法などの情報もあるくらいです。そんなキャバ嬢のイメージを覆し、なかなか落とせない女だと印象付ける事で、あなた自身の価値を高める事ができます。そうすると、自然と仕事もしやすくなってきます。お触りなども減ります。
特にお金持ちの方や地位のある男性は、簡単に自分のものにできないような女性が好きな傾向にあります。お金に余裕のある男性は遊び慣れている方も多いので、お金で簡単になびくような女性には興味が無くなってしまうのです。
高嶺の花になるには、まず見た目の上品さが重要です。会った瞬間から品の良さを見せる事で「他のキャストとは違う魅力を持っています！」という事をしっかり印象付けます。まず、髪型や髪色、メイクは落ち着いたものにします。私の場合は、黒に近い茶髪、もしくは黒髪で、ゆるい巻き髪やハーフアップ、ストレートヘアにしていました。メイクでは、付けまつ毛やカラコンは一切しませんでした。自分の見た目やキャラに盛りに盛ったヘアメイクは合わないと分かっていたので、あえて落ち着いたヘアメイクにしていました。その結果、他のキャストよりも、社長様や会社の経営者の方など、いわゆる太客と呼ばれるお客様から気に入られる事が多かったものです。また、ドレスは大人っぽい色やデザインのものを着用していました。一人一人、自分に似合う色やデザインを知る事も大切です。
また、ドレスから下着の線が見えないように気を付けて下さい。ブラやパンティの線が見えてしまうと、途端に生活感が出てしまいます。キャバクラはお客様に夢を見て頂く場所なので、下着の線などが目に入ると、お客様は幻滅してしまうのです。そして、私はいつもストッキングを履くようにしていました。私が勤務していたお店も、周りのお店でも素足で接客をするキャストがほとんどでした。しかし、素足は上品さに欠けるように感じていて、私はいつも履いていました。パンストを着用する事によって、ガードが堅いという印象を与える事もできますし、脚が美しく見えるというメリットもあります。
そして、見た目だけではなく内面から出る上品さも大切です。丁寧な言葉遣い、敬語、女性らしい仕草などがポイントです。 会話の内容にしても、楽しい話ばかりではなく、真面目な話もできるととても好印象です。時事ニュースや政治経済のような、ちょっと硬い話もできると、特に年配の方や地位のある方に好かれるようになるでしょう。私は、「キャバ嬢＝軽い、簡単に落ちる」と思われる事がどうしてもイヤでした。キャバ嬢にはキャバ嬢としてのプロとしてのプライドがあります。お客様から軽く見られる事のないように意識して、あなたの女性としての価値を高めていきましょう！
もし、あなたがお客様の事を本気で好きになったら、その方とお付き合いをするのも、関係を持つのも問題ありません。恋愛は個人の自由ですし、素敵な恋愛をして頂きたいですからね。でも、指名や売り上げが欲しいという理由で、仕事の為に関係を持つような事は絶対にしないで欲しいのです。気持ちの伴わない性行為は、あなたの心と体を傷つける事になります。そして、キャバ嬢として、女性としての価値を下げてしまいます。どうか、自分の事を大事にして、キャバ嬢としても頑張って下さいね。